大正電設の技術

自律分散制御方式のガス炉制御

重厚長大なシステムがすべてを集中的にコントロールするという考え方は、自立的システムを並立して分散制御させる方向に変わってきています。それは、たとえば大型焼却設備等においても同様です。
一台のシーケンサで複数の炉を集中的に制御する場合、システムの一部に障害が発生するとすべての炉の稼働に影響がでます。また、増設や設備更新時等も全部の炉の操業を停止させる必要があります。さらに、近年では焼却設備もセンサー等のI/Oが多様化し、それに伴う制御プログラムも複雑化しています。

大正電設では、こうした課題を解決するために、複数のシーケンサをネットワークで連結し、それぞれが自律的に機能することで分散制御を行う技術を確立しました。自立分散制御方式には次のようなメリットがあります。

高信頼性

個々の炉ごとに制御ソフトウェアを個別開発するのではなく、十分に信頼性が担保されたソフトウェアを標準にして、これをコピーして実装することにより信頼性の高いシステムを短工期で構築ができます。

炉増設・変更に柔軟対応

設備の増設や更新時にもすべての炉を同時に停止させる必要がありません。既存の設備の操業を継続しながら増設を行うことや、一部の炉だけ停止して更新作業を行うことが容易です。

障害時の優れたリカバリー

最上位のコンピュータに万一障害が発生しても、ライン上のワークシーケンスが終了するまでは、個々のシーケンサが自律的に動くので、そのまま自動運転が継続でき、ロスを最低限にとどめて障害復旧を行うことができます。

高耐久性

ハードウェアの設計では、OSやアプリケーション等をROM化し、データ保存にもSRAMを使うなど、徹底した稼働部品の排除を行ったことで、長時間の連続稼働に耐える、高い耐久性を実現しました。

ワンストップ対応で品質と信頼性を向上

 

大正電設では、制御盤の設計、プログラミングから、製造、施工までの各工程を自社内で一貫対応します。
設計、プログラミング後は、自社開発のシミュレーションプログラムにより、さまざまな条件での動作を確認。検収を行ってからはじめて次工程に受け渡します。従って、お客様に来社いただき、現地搬入前に動作を確認いただくことで、十分な品質と精度が実現されています。

施工現場では想定外の事象に対応する必要がありますが、そうした場合にも施工部門と開発・製造部門が緊密に連携できるので、対策もスムーズです。また、施工時に行った図面訂正なども、しっかりとドキュメンテーションに反映されます。

設計思想:お客様と向き合う時間を重視します

 

優れた制御盤の設計は、PLCの技術を理解するだけでは不可能です。その制御盤がコントロールする設備や施設の目的、稼働環境、ワークフローなどを十分理解しないと、要求仕様は満たせても、想定外の操作や条件により思わぬ事故につながります。
大正電設では、設計に先立ちお客様と充分なコミュニケーションをとることを大切にします。制御を行う設備を多面的に理解することで、制御盤がどのように動作すべきなのか見極めます。

回路を読めても、その回路の持つ意味が解らないのでは意味がない。それが私たちの設計思想です。

障害を未然に防ぐために

  

大規模焼却設備における障害は大事故につながります。そのため、制御盤設計では安全確保のためのロジックが多重的に実装されます。そのため場合によっては設備の稼働効率を下げる可能性があり、「XXXの状態になっても停止せず継続稼働するようにして欲しい」というようなご要望を頂戴することがあります。そうしたお客様にも、事故発生時の損害を詳しくご説明しご理解いただいた上で、最善のセーフティ回路を設けます。

セーフティ回路が起動して複数の炉がすべて停止すると、復旧までの経済的損失が大きくなります。しかし、個々の炉を分散制御することにより不具合が発生していない炉は継続稼働が可能です。 大正電設の制御盤は、安全性と営業効率を両立させます。

サポートも万全です

 

お客様のご都合に合わせて、休日や夜間などの作業も対応いたします。保守点検や改修時なども、お客様とコミュニケーションをとりながら、お客様の業務をできる限り止めずに作業させていただきます。

また、制御盤の多くは長寿命であり、一部に古い技術や部品等が採用されていることも珍しくありません。長い歴史をもつ大正電設であれば、そうした古い技術も社内で継承されており、安易に新技術による全面リニューアルを提案することはありません。

安全と環境に対する取組み

安全管理においても、大正電設が重視するのがコミュニケーションです。
たとえば、朝礼で受注案件情報を社員全員で共有する、工程表等を通じて各自がいつ何をするのかを理解する。そうした情報共有により、特定の社員に突発的に過大な負荷がかからないように配慮するなど、精神的にも余裕を持って業務にあたることで、事故ゼロを常に目指します。

また焼却炉や集塵機など、制御盤がコントロールする設備の多くは地球環境と密接に関わります。そうした設備のメーカーとも十分なコミュニケーションを取り、地球環境の保全と、設備が稼働している地域コミュニティーへの配慮を行います。

品質システムの国際規格を取得しています。

大正電設は2005年3月3日に、品質システムの国際規格であるISO9001認証を取得しました。